イリヤ | ほい、いなくなった人は放っておいて次にいきましょう。 |
桜 |
はい! ではご紹介いたします。 駆ける姿は白き流星…………っ! 艶かしい姿態は魔性を抱き、夜を舞うは美しく力強い獣を醸し出す! |
イリヤ |
ウドの大木、馬鹿ぢから、S気のあるM。 果てには人気投票で主人をも蹴落とし上位ランクインすら実現した、その名も仮面が頭に付きそうなライダー! |
ライダー | ………… |
桜 | ああ、ライダー落ち込まないで! イリヤさん! いくら面白おかしくする役目だからって言っていい事と悪いことがあるんですよ!? |
イリヤ | だって事実なんだからしょうがないじゃない? だいたい、今回のライダーは士郎をいじめてばっかりでまともにサーヴァントと戦ってすらいないじゃない。 まるで主人公をいじめるお邪魔虫。 いえ、サクラを助けに行く王子を邪魔する悪い魔女って所かしらね? |
ライダー | よ、よりによって……魔女……!? |
桜 | そ、その表現だと私はお姫様ですよね。 それは魅力的な事ですけど、だからってライダーをいじめていい理由にはなりませんっ。 |
イリヤ | あら、サクラはライダーをかばうの? いくら自分のサーヴァントだからって、士郎を何度も殺しかけたやつじゃない。 |
桜 | た、確かにそうですけど…… でもそれは私を想っての行動でしたし、先輩は気にしてないって言ってくれました! |
ライダー | サクラ…… |
桜 | 大丈夫よ、ライダー。私だけはランキングで負けたって、どんな事があったって貴方の味方だからね! |
イリヤ | あら、美しい主従愛ねー。 |
ライダー | ふ、もはや落ち込む事はありません。 例えバカでかい、顔が見えない、壁、等どのような罵りであっても、負けはしません! |
桜 | そうよ、ライダー! もっと自分に自信を持つの! そして最後には巨乳ヒロインとしてトップを手に入れるの! |
ライダー | ええ、任せてください、サクラ! |
イリヤ | うんうん、よきかなよきかな。ところでライダー? |
ライダー | はい。なんでしょう、イリヤスフィール。 今の私を落ち込ませるのは、二人の姉ならば可能と言っておきましょう。 |
イリヤ | うーん、自信を付けたと見せかけて、事実から目をそらせない所がライダーね。 まあそんな事はともかく、実はライダーに聞いて欲しい事があるのよ。 |
桜 | な、なんですかっ? これ以上ライダーを苛めるっていうならいくらイリヤさんでも許しませんよ!? |
イリヤ | 苛めるわけじゃないわ。ただ独り言をいうだけだから。 |
ライダー | 独り言、ですか? |
イリヤ | ――――深夜三時。 |
ライダー | ……? |
イリヤ | ――――土蔵。 |
ライダー | …… |
イリヤ | ――――週に一回。 |
ライダー | (ピクリ) |
イリヤ | ――――魔眼。 |
ライダー | ………っ |
イリヤ | ――――肩の、 |
ライダー | イリヤスフィール! 少しばかり話しがありますのでサクラの耳に届かぬ場所に離れましょう離れてくださいお願いします。 |
桜 | え、え? |
イリヤ | ちょっとライダー。レディーを小脇に抱えて運ぶなんて失礼じゃない? |
ライダー | 申し訳ありません、どうか気を悪くしないでください。 ……その、いつからでしょうか? |
イリヤ | 気づいたの? 最初からよ。 この家には状況を把握する為の結界を張っているから。 ライダーが週に一度の“アレ”を始めたのも初めから知ってたわ。 ただ特に酷い事態になっていなかったし、からかうネタ用に黙認してだだけよ。 ちなみに、凛もここには細工を済ませてるから筒抜けね。 |
ライダー | し、しかしそれは…… |
イリヤ |
んふふ、うまく誤魔化した筈だって言いたいんでしょ?
まあ実際、他の人だったら気づかなかったんだろうけど……
相手を間違えたわね、ライダー。 ・・・・・・わたし達が本人に何もしてないとでも思ってたの? |
ライダー | ……なるほど、あなた方の彼に対する執着を甘く見ていた、という事ですか。 この事はどうか、サクラには内密にして頂けないでしょうか。 |
イリヤ | んー? どうしようかなー? これから一ヶ月間、わたしがここに来る時は フルールのベリーベリーベリーを用意するって言うなら黙ってあげなくもないけど。 |
ライダー | 中々に難しいミッションですが……了解しました。 |
イリヤ | おっけー! 契約成立ね。ちゃんと約束は守るのよ? |
ライダー | 判っています。貴方が黙っているというのならば、契約は果しましょう。 |
イリヤ | んー、心配しないでいいわ、ちゃんと黙ってるから。けど…… |
桜 | ライダー? |
ライダー | は? は、はい、なんでしょうかサクラ? |
桜 | イリヤさんとのお話しは終わり? じゃあちょっとわたしも用事があるから、 あの隅の暗がりで周りからよく見えないところに来てくれる? |
ライダー | え、な、何故、これは一体どういうっ!? |
イリヤ | ちゃんとわたしは黙ってるけど、無駄っていうか。 簡単に言うと今のわたしとサクラは言葉なんか必要ないのよね。 あ、ちゃんとわたしは黙ってるからフルールはお願いね。 |
ライダー | なっ、それでは詐欺です! 約束がちが(ギュル!)んー!? |
桜 | ではイリヤさん、少しばかりライダーとお話してきますね。 ふふ、二人っきりでお喋りよ? くすくすと笑ってごーごー。 |
ライダー | んんーーー!!? |
イリヤ | いってらっしゃーいっ。 |