桜 |
色々と巻いているんで早速およびします!
その男の業は流麗にして美技! 花を慈しみ、鳥と歌い、風に生き、月を愛でる―――っ! そう、その男はまさに耽美な男! |
イリヤ | 柳洞時の実質お地蔵さん。 掃除はしねえ、洗濯もしねえ。料理? ははは、この場から動けたらしてもよいがな。 そんなキャスターいぢめの名手! その名はぁ、アサシン小次郎! |
小次郎 | 佐々木小次郎だ。今宵の宴、楽しませてもらっている。 |
イリヤ | 紹介してなんだけど私こいつも苦手。 |
桜 | い、イリヤさん、いくらなんでもいきなりそれは失礼ですよ。 |
小次郎 | ははは、いや、嫌われたものだな。 |
イリヤ | だってこいつ、基本的に人をからかうのを楽しみにしてる捻くれ男じゃない。 キャラ的にも傍目から見るとサーヴァント中最弱なのに、無駄に強いとかバーサーカーと真逆の位置だし。 |
小次郎 | いやいや、一つ訂正しておこう。 私が享楽としているのは、あくまで美しいものを愛でる事だ。 ただ在るだけで眼福といえるものを、様々な色で見たいという人の心よ。 まあ、傾いた趣味には違いはないが。 |
イリヤ | ほら、開き直るどころか人として当たり前だ、とまで言ってるわよ。 サクラだって油断してると危ないんだから。 |
桜 | あ、はは。そんな事ないですよ。 |
小次郎 | ふむ、何、咲く前の蕾に手を出しはせぬ。 蕾を愛でるのも一興ではあるが、花見はやはり咲いてからが一番であろう。 |
イリヤ | む、まあ私はしょうがないとして……サクラも蕾な訳? こんなロケットおっぱいなのに。 |
桜 | ちょ、イリヤさん! |
小次郎 | 女が華を咲かすのは肉体の成長ではない。 恋を知り、それを燃え上がらせてからでなければ華とは言えん。 貴殿等も、その意味では未だ蕾よ。 |
桜 | ………… |
イリヤ | ほら、こういう事を素で言えるのも苦手なのよ。 っていうかこいつ女の敵よ。 こいつに比べたらランサーの方が紳士的なんだから。 なにしろ綺麗だったら他はどうでもいいってやつだし。 |
桜 | は、はー。わたしは苦手って感じはないですけど、ここまで言われると圧倒されちゃいますねー。 |
イリヤ | そーゆー事だから、さっさと質問始めちゃうわよ。 |
イリヤ |
まず一つ目ね。 ぶっちゃけ、あなた生きてるの? |
小次郎 | はっはっはっはっ! 中々に面白い事を申すな。 |
イリヤ | だって、あなた最後出てこなかったじゃない。 蟲相手に剣一本で通用すると思えないし、死んだんじゃないの? ま、エピローグが終わって皆が盛り上がっている中でも、話題の一つとして上がらなかった事だけど。 |
小次郎 | いや、中々に手厳しい。 とどのつまり、誰一人とて私が死んだとは思っていないだけではないのか? |
イリヤ | あれだけ死亡フラグっぽい別れ方して? 私は忘れられただけだと思うんだけど。 |
小次郎 | む。 |
桜 | あわわわ、そ、そんな事ないと思いますよ? だって小次郎さん人気ありますし! 出番全部格好よかったですし! |
イリヤ | そもそも出番そのものがほぼ無かったけどね。 |
桜 | もう、イリヤさん! |
小次郎 | いやいや、尤もな話だ。 ここの物書きは私の戦いを気に入ってはいるが、公開する以上反響がなくてはならん。 そういう意味では、私の扱いはそう大きなものではなかった。 |
イリヤ | むしろ優遇されてるくらいよ。 出番全部で目立てたんだし。 ヘタに出張って、ギャグキャラに墜ちなかっただけ十分よね。 |
小次郎 | しかり。そも、私で喜劇など書けぬだろうがな、あの貧困な頭の持ち主では。 |
桜 | ぅー、自分の指が自分をなじるってパソコンの前の人が泣いてますよ? |
イリヤ | っと、話が随分逸れちゃったわね。で、どうなのよ。 |
小次郎 | 私の生死か。大半の想像を裏切らず、この世に足を付けている。 魑魅魍魎の類は私の得手とする所ではないが、 専業と扱うキャスターの魔術があったのだ、死にはせん。 |
桜 | じゃあいつまで戦ってたんですか? |
小次郎 | 彼奴らが去るまでだ。 夜が明ける直前、夜通し剣を振るい斬った。 私があの場から動けぬと気づいてからは、姿を消したがな。 |
イリヤ | じゃあなんで最後の戦いの時にでてこなかったのよ? |
小次郎 | キャスターが山門に混めた魔力が切れたからだ。 あのまま消えてもよかったのだが、どうせならば最後を見届けてからと考えてな。 その浅慮が失敗だった。 結局こうしてキャスターの下僕として生きながらえてしまったからな。 |
桜 | あ、キャスターさんとは今も契約を続けているんですか? |
小次郎 | 聖杯戦争とやらが終わり一度契約は切れたが、令呪の効果までが切れたわけではない。 山門を守るという任は未だ私を縛っているからな。 選択肢などこの身にはない。 |
イリヤ | ふーん、キャスターは自分の意思でアンタを残したって事ね。 |
小次郎 | あの女狐、自分の駒は残しておく性質のようだな。 この先使うか判らん物など、捨て置けばよいものを。 |
桜 | それだけキャスターさんに必要とされてるって事ですよ! それに、主婦として物持ちが良い事はステータスですから! |
イリヤ | そんな使うか判らない空き瓶みたいに。 |
小次郎 | 妙に凝り性な癖がある女だからな。 主婦もはまってしまえば徹底するかもしれん。 |
桜 | それにキャスターさんは優しいですから! きっと路地裏に捨てられた子犬を放っておけず、家に連れて帰ってしまう心境なんだと思います。 |
小次郎 | ふむ、私以上に傾いた嗜好を持つあの女が、果たして純粋な情けで動くか怪しいが。 |
イリヤ | わたしは“犬を連れ帰る”って所は否定しないわ。 ただその後に二つの意味でモルモットになりそうだけど、犬。 |
桜 | もう! 二人ともキャスターさんの悪口を言ってると本気で怒りますよっ? |
イリヤ | 大丈夫よサクラ、悪口なんて言わないわ。(事実だろうし) |
小次郎 | うむ。私とて自らの主に反旗を翻す程、酔狂ではない。(からかいはするが) |
桜 | ……それならいいですけど。 |
イリヤ | じゃ、そろそろコメントね。 アサシンは本編と対して立ち位置変わらないし、今後の事を聞いたってしょうがないもの。 あとやっぱり出番が少なすぎて質問らしい質問捏造できないしね。 |
小次郎 | 仕方あるまい。しがない門番如きに、花形の座が廻ってきては舞台が成り立たぬ。 |
イリヤ |
はいはい。いちいち変な言い回しで喋らない。書いてる奴がすごい苦労してるんだから。
『個人的にはもう少し出番を作りたかったのですが、物語的にもキャラクター的にもあれしか作れませんでした。 それに喋り方が非常に難しい。私の少ないボキャブラリーでは一言毎に悩む。 まあその分、短い出番に濃度を高めるつもりで打ち込みました』 ですって。 |
小次郎 | うむ、確かに受け取った。では、何時か何処かで麗しき邂逅を願っておこう。 |
イリヤ | いつかどこかも何も、あなた柳洞寺の門から動けないんじゃ……ってもういないし。 |
桜 | はっはっは、って笑いながら去っていっちゃいましたよ。 なんだか“我が道を行く”って感じの人でしたね。 |
イリヤ | ま、他のやつとは違った意味でのマイペースなのよね。 ランサーとかでさえ、戦闘の時くらいは真面目になるのに。 アイツはあれで常時真剣だから、始末に困るのよ。 |
桜 | そんな、始末に困るだなんて…… でもぱっと見た感じだとくつろいでいるように見えましたけど、 あの状態でも気を引き締めているんですかね? |
イリヤ | うーん、どうかしら。 むしろ気を抜いているというか…… 良い意味でも悪い意味でも、常にリラックスしてるってのが強みなんでしょうね。 |
桜 | そうですねえ。 あの人とうまくやっていくには、常に穏やかでいられる人じゃないと駄目な気がします。 |
イリヤ | まあぶっちゃけると“ほにゃ”ってる人なのよね。 |