う〜ん・・・
「どうした、凛」
アーチャーが紅茶を私の前へ置き、問いかけてくる。
指をこめかみへとあて、なにやら考え込んでいる私に対する配慮だろう。
ありがたい、彼のお茶は意識を、そして気持ちをクリアにしてくれる。
「いえ、ね。ちょっと疑問に思った事があって・・・」
本をめくる。
父の残した・・・というより遠坂家に残された本をめくる。
こと聖杯戦争に関しての資料はそう多いわけではない。
なにしろ年代的にも長い歴史を持っていないのだ。
まあ他と比べて、という意味でだが。
「めずらしいな」
御茶請けにと、アーチャーがクッキーを机に置く。
口にすると、なんらかのハーブが入っているのだろうか、紅茶と同じく落ち着く匂いがした。
「君がリビングで調べ物とは」
そういう時はいつも工房に篭っているというのに、と私と同じように椅子に座って言う。
確かに、基本的に魔術的な施術であれば、工房で行うのはあたりまえの話だ。
設備も揃っているし、なにより空気が違う。

「今回は魔術っていうか・・・いえ、魔術的にも関係はあるんだけど。単純に興味って感じなのよね」
「ふむ?」
アーチャーが疑問符を浮かべ、片目で反応する。
「どうやら難解な事象のようだが。私にわかる範囲なら手を貸すか?」
む、彼の言葉はありがたい。
というか実は彼自身に聞けば、一発でわかることなのかも知れないのだ。
「・・・じゃあ聞くけど・・・」
「うむ」
「貴方達サーヴァントって――――」























――――――――<遠坂凛の疑問>――――――――





























――ピンポーン。

「む、誰か来たみたいだな」
「シロウ、私がでましょう」
「ああ、すまないなセイバー」
いえ、と彼に笑顔で応える。
彼は今朝食の皿洗いで忙しいのだ、客の対応くらい私がしなくてはならない。

――ピンポーン。

またもやベルがなる。
この客は気が短いようだ、まだ十秒もまたせていないのに。
それにしても誰だろうか?
今日はサクラは部活で、同様にタイガも学校だ。
イリヤスフィールは彼と遊びにいっているし、凛もこのように朝にくることはあまりない。
他の人々も・・・様々な用件で外に出ている。

――ピンポーン。

「はいはい」
催促に応じ、小走りでドアを開ける。
それと同時に自己暗示。
"押し売りにはNOと応える事"

「あらセイバー、おはよう」
だが心構えに対して、目の前にいたのは新聞屋でも押し売りでもなく。
(・・・新聞の勧誘は押し売りなのでしょうか)
いえ、それはどうでもいい。
とにかく私の考えに反して、何度もベルを鳴らした気の短い客は、
「ちょっとセイバーに用があって来たんだけど」
何故か脱力している赤い英霊を連れた、遠坂凛その人だった。




















「で、遠坂は何の用で来たんだ?」
彼女が昼や夕食を食べに来る事は多々ある。
最近だと一週間に5日はうちで食事を取っているくらいだ。
だが今は10時。
朝食には遅く、昼食には早い微妙な時間帯だ。
「ちょっとね、セイバーに用があってね」
「私に、ですか」
むう、さらにめずらしい。
彼女がセイバーに会いに来るのはそう少なくはない。
だがそういう時は大体、紙袋一杯に入った服とキャスターが一緒にくるんだが・・・
アーチャーと一緒に来るのは意外と無いのだ。
「うん、ちょっとした疑問なんだけどね、調べてもどうにもわからなかったからセイバーに聞こうと思って」
「はあ、私に分かる範囲でしたらお答えしますが・・・それで疑問とは?」
「率直に聞くとね、サーヴァントって子供作れるのかしら?」

・・・・・・・・








な、
「何を言っているのですかー!!」
セイバーが激昂して、顔を赤くしながら立ち上がる。
それも当然だ。
「い、いきなり何を言ってるんだ、遠坂!!」
「だから、ちょっとした疑問だってば」
しれ、と応える遠坂。
横でアーチャーが脱力しながらお茶を飲んでいる。
・・・こいつも聞かれたんだな。
「で、どうなのよセイバー。できるの?」
「う・・・それは・・・」
セイバーが耳まで朱に染めて、今度は小さくしぼむように座り直す。
可愛いセイバーを見れて嬉しいが、この質問には俺も顔を赤くなっているのを隠しきれない。
この悪魔め・・・
「はあ、凛。彼女はあのようだし、いい加減早くやめたい話題だから私が答えよう」
アーチャーがものすごくダルそうに言う。
「答えられるならなんでうちで答えなかったのよ?」
「君が聞く前に家を出たんだろうが・・・!」
コブシを震わせ、頬を引きつらせるアーチャー。
苦労してるんだな、やっぱり。
「はあ、まあいい。聞くが、凛。私達サーヴァントの身は何でできている?」
「エーテルでしょ?」
体は剣で、とかは無しなのか、遠坂。
「そうだ。我々はあくまでエーテルの塊に過ぎん。故に肉体はあってないような物で、
 霊体になるように、魔力さえ制御すれば消える事も簡単にできる」
そんな事わかってるわよ、と遠坂。
そこの未熟者にわかるように順序よく喋っているのだ、とアーチャー。
・・・俺なんだろうな。
「しかし我々はただのエーテルの塊ではなく、サーヴァントとして現界している使い魔だ。
 切られれば血はでて、激しい運動をすれば汗をかく。
 魔力さえあれば摂る必要はないが、食事をすれば、新陳代謝もする必要がある。
 限りなく人間の身に近いため・・・
 凛の言う行為もできるし、必要な物も存在する」
・・・なんだかなあ。
「が、凛。例えば私が負傷し、血液を外に出したとする。
 それが地に落ち、しばらくすればどうなる?」
「・・・そうね、魔力と同じで固定されることなく、大気に消えるってのが・・・あ」
遠坂がポン、と手を叩く。
「そっか、たとえ外に出せたとしても消えちゃうんだ」
「凛、少しは言葉を慎んでくれ・・・」
そうだ、俺まで恥ずかしいじゃないか。
「そっか、じゃあ子供作るってのは無理なのか・・・」
む、と遠坂が押し黙る。何かに気づいたのだろうか。
「ってことはアーチャーはふの」
「凛、それは男性として非常に傷つくからやめてくれ。それに、一応サーヴァント全体が作れないわけではない」
「え、だって体から離れたら消えちゃうんだろ?」
俺の当然の疑問に、アーチャーがやれやれ、と首を振る。
毎度の事だが、俺って子供扱いされてるよな。
「男性の場合はたしかにその必要がある。だが考えても見ろ、エミヤシロウ。
 サーヴァントは男だけではないぞ」
それはそうだ、セイバーみたいの女の人のサーヴァントも・・・って。
「そっか」
「そう、女性の場合なら体外へ出すものはなく、消える事もない」
アーチャーが人差し指を上に立てて、解説を続ける。
「我々サーヴァントの肉体は、言わば魔法陣で作られた結界だ。
 数々の術式で編まれ、それがエーテルを固定化し、人としての存在を作る。
 人としての情報は英霊の霊体そのものが持っているし、それはDNAといったものさえ再現しうるものだ。
 それに・・・」
「そうですね・・・女性であれば、受け入れるだけですし。
 私のように生きたまま契約したような特殊なサーヴァントなら、さらに確立は上がるかと思われます」
セイバーがアーチャーの言葉を続けるように言う。
というかセイバーの口から聞かされると、少し恥ずかしいものがあるな。
「ってことは男が生身で、サーヴァントが女ならできなくもないってことか・・・」
遠坂がまた考え込む。
そのままぶつぶつとつぶやき、自分の世界に入る。
「全く、それにしても何故そのような事を思い立ったのかね、君は」
「ん? いやさ、キャスターが不安がってたからさあ。どうなのかなーって思って」
「・・・彼女なら私よりも詳しいと思うのだが」
「わかって無いわね、アーチャー。恋する乙女は盲目なのよ?」
「・・・なにか間違ってる気もしないでもないが。というか君、今日キャラが変わってないか?」
アーチャーに返事しつつも、上の空のようで遠坂は未だ考えている。
やがて「あ」と何か思いついた用で、ポンと手を叩く。
「そうだ、実際にやってみればいいのよ」

・・・・・・

『は?』
「いや、だからね、実際に」
「い、言われなくても分かる! 何を言ってるんだ遠坂!」
「魔術的にも、キャスターの為にもなって一石二鳥なんだから、悪いことないじゃない」
「凛! だからとはいえ、そのような・・・は、破廉恥なマネは・・・!」
「破廉恥? セイバー、子供を作るのは継承者を残す大切な儀式だし、絶対不可欠なものよ」
「凛、君はまず落ち着いて何を言ってるのかを冷静になってだな」
「ダマレ○能」
アーチャーが血を吐いて倒れた。
「と、遠坂。アーチャーが言ってた用にな、まずは落ち着いて」
「イイから脱げ」
「って俺ですか!?」
「り、凛・・・どうしたのですか、今日は貴方らしくありませんよ?」
「セイバー、アンタも脱ぎなさい」
「な!?」
セイバーが顔を真っ赤に染める。
そりゃそうだ、遠坂は俺とセイバーに・・・その・・・しろ、と言っているのだから。
「遠坂、いきなり無茶を」
「脱げ」
「リン・・・お願いですから落ち着いて」
「ヌゲ」


・・・・・・・・・・・・・












この日は、皆が帰ってくるまで、おにごっこをシマシタ。
















あとがき
 
 4万HIT記念と、テスト中につき更新ができない為のお詫び作品です。
というかカウンタのまわり方早いです。
たぶん私を空喜びをさせようとし、何台ものPCを利用して組織ぐるみでまわしていると思われます。

 内容は完璧なギャグです。キャラが違うとかあっても知りません。
時間帯もいつだと言われても分かりません。
あと勢いで書いたので変なところがあっても、たぶん修正しません。

 それでは、駄文失礼いたしました。
呼んでくださった方、このサイトを見てくださっている方に、感謝を。


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