「もしも桜が〜」

− キリ番333333HITを踏んだ TAKA 様へ捧ぐSS −



























こんにちは皆さん! 私、間桐桜って言います!

私立穂群学園の生徒で、1年生をやらせて頂いてます。

年は1○才です!

高校1年生なのに18才以上ってもしかして留年? とかそういう意見は知りません!

そんな事まで突っ込んでしまうと、堂々と年齢を言えるのが藤村先生だけになってしまいますし。

世の中、知らない方が良い事がたくさんあるんです。








今回は私の事について話す場所を設けていただいたという事で、遠慮なく話させて頂きますね。

では私の家族構成を。

兄が一人、私。これで終わりです。

え? 両親はいないのかって?

・・・はい、実は二人とも他界してしまっているんです。

私はそもそも間桐の子ではありません。

別の家で生まれて、ある事情で引き取られた養子なんです。

昔の事なのでよく覚えていませんが、その頃にはお養父とうさんと、お爺さまがいたそうです。

養母かあさんの方はと言いますと、実は私が間桐の家に引き取られた時、すでにいなかったんです。

先程は他界、なんていってしまいましたが、実のところは詳しく知らないし、会った事もないんです。




子供の頃の話です。

引き取られてすぐに、私はお爺さまに呼ばれました。

とても暗い部屋で、私は怖くてすぐに泣きそうになってしまいました。

するとお爺さまが現れて、慰めてくれたんです。

色々とお話しをしました。

お爺さんは優しくて、とっても好きになりました。

その時は元気だったのに、あんな事になるなんて・・・・



私は優しくしてくれたお爺さんに、なにかプレゼントをしようと思いました。

しかし何がいいのかは分からないし、何よりその頃は余りお金を持っていません。

それで思い出しました、お爺さんの部屋は暗くて、虫が妙にいたなあ、と。

あれでは体に悪いと思うので、私は蚊取り線香を買うことにしました。

夜のお爺さんが寝ている時間に、こっそりと横に置いて上げました。

これならばきっとお爺さんの部屋から虫がいなくなる筈です。

しかし次の日、何故だかお爺さんは消耗して口も聞けない状態になっていました。

これはやはり、悪い虫がお爺さんを噛んだのでしょう。

私は貯金からなけなしのお金を引き出して、バ○サンを購入しました。

これなら悪い虫もコロリ、と倒せる筈です!

しかしそれから数日、お爺さんは他界してしまいました。

原因は不明でしたが、きっと悪い虫のせいだと、私は思っています。

家の都合ということで、お葬式をやることもなく、お爺さんはいなくなってしまいました。




それからというもの、お養父さんも脱力して、元気をなくしてしまいました。

見ているのが苦しいくらい気が抜けてしまっていたので、なんとかしようと思いました。

何日か一緒にくらしていたので、お養父さんが何を好きかくらいは分かっていました。

コーヒーと、しょっぱいものがお養父さんは好きなんです。

私はとにかく元気になって欲しくて、子供ながらに頑張って考え抜きました。

そこでひらめいたんです、しょっぱいコーヒーならいっぱい喜んでもらえるんじゃないかって!

しょっぱいと言えば、やはり塩です。

私はコーヒーに塩を入れて、お養父を元気付けることにしました。

脱力していたお養父にコーヒーを渡すと、よほど意外だったのか、もの凄く喜んでくれました。

初めて煎れたのであまりうまくできませんでしたが、その顔が嬉しくて、私は毎日コーヒーを作る事にしました。

しかししばらくすると、お養父まで体調を崩していきました。

最近舌が鈍い、と言っていたので、塩の量を増やしてみたりはしたのですが、効果はありません。

日に日に悪くなり、お養父さんは今まで嫌っていく事の無かった病院に行く事になりました。

ですがその道のり、交通事故にあってしまったのです。

お巡りさんに聞いたところ、お養父は信号で待っているときに倒れこんで、車に轢かれてしまったらしいのです。

不幸な事故でした。




でも私、寂しくありません。

なんたって兄さんがいてくれますから。

兄さんは少しひねくれ者で、言葉はきついですけど、優しくていい人なんです。

広すぎる家に二人で暮らしていきましたが、支えあって生きていきました。

でも実は、兄さんは普通の人じゃないんです。

なんと魔法使いなんですよ?

ああいえ、兄さんが言うには魔法使いではなく、魔術師なんだそうです。

よくは分かりませんが、ここは使い分けないといけない所だそうで。



二人暮しをしてしばらくして、兄さんが私を書斎に連れてきました。

入ってはいけないと言われていたので、今まで一度も見たことも無い部屋でした。

そこには、魔術の本や道具がたくさんありました。

兄さんは親が死んでしまったので、独学で勉強を続けていたらしいんです。

そこで兄さんは話してくれました。

間桐の家は代々魔術師の家系で、外国からここに引っ越してきたそうです。

長年ここで暮らしましたが土が合わなかったらしく、兄さんには魔術回路というものが無くなってしまったそうなんです。

魔術回路が無いと魔術はできないそうで、兄さんには知識があっても行使することが出来ないと言いました。

そこで私の出番です。

私は魔術回路というのを持っているらしくて、勉強さえすれば魔術を使えるらしいんです。

兄さんの勉強の為、私は協力する事にしました。

それからというもの、私は兄さんに協力して、日夜魔術の研究を手伝いました。

今では私がいなくちゃなにもできないくらい、兄さんに頼られっぱなしです。




そうそう、余り兄さんは人当たりが良くないので友達が少ないのですが、一人良い方がいるんです。

実はその人・・・恥ずかしながら、私の初恋の人だったりもしますっ。

ある日夕方の学校で出会い―――といってもその人はその時私に会ったわけではないんですが。

とにかくその日、私はその人に出会いました。

あ、お名前忘れてましたね、衛宮士郎先輩っていいます。

今の学校ですと、一つ上の学年ですね。

ちなみにさっきの思い出は中学の頃です。

お互い違う学校で、私はたまたまそこに居合わせたのですごい偶然だったんですよ?

少し運命を感じちゃいますよねっ。



衛宮先輩といえば、物凄い弓の名手なんです。

射れば百発百中ですし、佇まいも本当に綺麗なんです。

ですがある日、バイト先で怪我をしてしまって肌に傷をつけてしまったんです。

弓を射る時は服をはだけさせるので、兄さんがそれを指摘した所、衛宮先輩は部を辞めてしまったんです。

先輩本人は気にしていないし、それだけが理由で辞めたわけでもないと言っていました。

でもやはり兄さんのせいでもありますから、私が責任をとることにしました。

先輩が怪我をしている間、私がお世話をする事に決めたんです。

半場押しかけに近い形で、私は先輩の家でお世話をできるようになりました。

い、いえ、決してやましい気持ちからなんかじゃないんですよ?

あくまでも兄さんの印象を悪くしない為で、私自身の気持ちは決して関係ないんですっ。

その証拠に今でもお世話を続けさせてもらってますが、私と先輩には何の事件もなかったんですっ!

・・・・先輩、鈍いんですよ・・・

それでも諦めません。

いつか・・・その・・・私の魅力に気づいてもらって、そういう関係になれたらなあって・・・・っきゃ♪





そうだ、先輩といえば私が親しんでいる方がもう一人いるんです!

え? 気が多い、ですか?

やだなあ違いますよ、女性の先輩です、じょ・せ・い。

名前は「遠坂 凛」先輩、物凄い美人で、学校のアイドルとまで呼ばれてる人なんです。

美人なだけでなく、性格優良、成績優秀、運動神経抜群の、完璧な人とまで呼ばれています。

全校生徒に注目され、憧れの的となっている人なんです。

かくいう私も、遠坂先輩のようになれたらなあ、と尊敬しています。

でも皆さん、先輩は沈着冷静な美人というイメージを持っていますが、本当は可愛いんですよ?

照れた時の表情なんか、本当に可愛いんです。

先輩、あまり男の人と付き合いがなさそうなので、"ああいう事"も疎そうですし・・・

ちょっと私が攻めたら・・・ふふ、可愛いなあ、遠坂先輩。




え、あ・・・今の無しっ、無しにしといてくださいっ!

―――あ、兄さんに呼ばれてしまいました!

今日のところはこれでお終い、ということで。

これから聖杯戦争、というものに参加するそうなんです。

私は兄さんの手伝いしかできませんが、役に立てるよう頑張ろうと思います。

それでは皆さん、失礼しますね!
























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